NPOサイト運用改善|情報設計の再構築と運用工数の最適化
- Published: 2025-11-21
- Updated: 2025-11-30
better standard editor
子ども支援を行うNPOのウェブサイト改善・運用をご支援した事例です。サイト自体は、外部制作会社によって既に構築済みでしたが、運用しづらい構造や複雑なカスタマイズ、導線設計の弱さが課題となっていました。
Better Standardでは、日々のコンテンツ更新と並行して、情報設計の再整理・構造改善・更新工数の最適化を行い、「現場で運用しやすいウェブサイト」へと整えていきました。
課題:見た目は良いが、運用に向かないサイト構造
WordPressで構築されていたものの、独自カスタマイズが過剰に施されており、次のような問題が発生していました。
- 更新作業に想定以上の時間がかかる
- テンプレート構造が複雑すぎて、改修に大きなコストがかかる
- 同じ操作でも「どこを触ればよいか」が現場では分かりにくい
- レスポンシブ対応が不十分で、スマートフォン表示に課題がある
- 検索流入につながりづらい情報構造になっている
なぜこのような構造になっているのか分からない部分も多く、運用側から見ると、ブラックボックス化していると言える状態でした。
対応:構造リファクタリングと“更新しやすさ”の徹底改善
ゼロからのフルリニューアルではなく、既存サイトを止めずに改善していくことが条件でした。そのなかで「構造をシンプルに戻す」ことをテーマに、段階的なリファクタリングを行いました。
1. 情報設計と導線の再設計
ユーザーが迷わず目的を達成できるように、団体のミッション、事業紹介、ニュース、支援方法、ボランティア・求人情報などの導線を整理し直しました。
特に、支援の申し込みや寄付ページへの導線を明確化し、「団体の活動を知る」から「支援のアクションを起こす」までの流れが自然につながるように構成を見直しました。
2. WordPressテーマの再構築
テーマファイルは、過度な独自カスタマイズによってメンテナンスが難しい状態だったため、次のような方針で整理しました。
- 不要な独自機能や重複している処理の削減
- テンプレート階層を整理し、「どこを直せば何が変わるか」が分かる状態に
- 管理画面上の入力項目を見直し、誰でも迷わず更新できるUIへ改善
- レスポンシブ対応を標準化し、スマートフォンでもストレスなく閲覧できる表示に最適化
これにより、「特定の担当者にしか触れないサイト」から、「担当が変わっても運用できるサイト」へと変えていきました。
3. 更新工数の大幅削減と、“自動化できる部分”の拡大
NPOの現場では、専任のウェブ担当者を置けないケースが少なくありません。そのため、限られた人的リソースでも無理なく運用できるよう、更新にかかる工数そのものを減らすことに注力しました。
具体的には、次のような改善を行いました。
- 定型的な情報はテンプレート化し、入力するだけでレイアウトが整うように設計
- カテゴリやタグを使った自動一覧表示で、「更新=投稿するだけ」で各所に反映される構造に変更
- 共通パーツを一元管理し、複数ページにまたがる修正の手間を削減
- 投稿の更新内容がトップページや関連ページにも自動反映される仕組みを整理
その結果、1回の更新にかかる時間は以前の半分以下になり、限られた人員でも、無理なくコンテンツ更新を続けられるようになりました。サイト更新に関わる人的リソースを効率化し、少ない工数で効果的なサイト運用ができる状態へと改善できました。
成果:更新を止めても検索流入が伸び続けるサイトに
構造改善と運用最適化を行った後は、記事更新を行っている期間だけでなく、更新を控えた期間でも、自然検索からのアクセスが伸び続けました。
- ニュース・コラムなど既存アーカイブへの検索流入が継続的に増加
- 新規ユーザーの流入が安定し、認知拡大に寄与
- 記事を追加しなくても、過去コンテンツの価値が検索結果上で評価される状態を実現
これは、情報構造と内部リンク設計、テンプレートの改善により、コンテンツの価値が検索エンジンに正しく伝わるようになった結果です。
NPO向け Google Ad Grants の活用支援
今回は、NPO・NGO向けに提供されている「Google Ad Grants(毎月最大100万円分の検索広告を無償利用できる制度)」の申請・運用サポートも併せて行いました。
予算をフルに使い切るのは容易ではありませんが、キーワードや広告文を工夫することで、無料で一定のクリックと流入を獲得することに成功しました。検索からの導線を強化するうえで、Ad Grantsは有効な選択肢のひとつです。
まとめ:NPOにこそ必要な、“無理なく続けられるデジタル運営”
NPOの現場は、人手も予算も限られています。そのなかで、ウェブサイトに求められるのは、見た目の派手さよりも、「少ないリソースで長く使い続けられること」です。
Better Standardでは、
- 誰でも更新できるシンプルな構造
- 少ない工数で効果を出せる運用設計
- 検索エンジンに評価される情報構造
- Google Ad Grants など支援制度の活用サポート
といった要素を組み合わせながら、NPOの活動がより多くの人に届くためのデジタル基盤づくりを支援しています。
「すでにあるサイトを活かしながら、運用しやすく改善したい」「限られたメンバーでも回せる仕組みをつくりたい」といったご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
- Published: 2025-11-21
- Updated: 2025-11-30
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